古アムダプール市街
かつて栄華を誇った魔法都市には、今なお古き魔法の残滓が漂っていた
その最奥で、冒険者は異界より現れた魔物――ディアボロスと対峙する

激しい戦いの末、ディアボロスは倒れ、開いていたヴォイドゲートもゆっくりと閉じていった
静寂を取り戻した遺跡を歩いていると――
瓦礫の隙間から、淡い青い光がふわりと舞い上がった
「……蝶?」
冒険者が目を凝らすと、ヤ・シュトラが静かに口を開く
「モルフォね。生息数が少なく、滅多に人の目に触れることはない蝶よ」
蝶は二人の周囲をひらひらと舞い、やがて冒険者の前へ降り立った
「それにしても、どうしてこんな場所に……」
ヤ・シュトラが先ほどまでディアボロスのいた場所へ目を向ける
「なるほど……ヴォイドゲートの影響かもしれないわね」
ディアボロスの強大な魔力に引き寄せられ、ゲートを通ってこの世界へ姿を現したのだろう
やがて魔力の余韻が静かに落ち着くと、淡く揺らめいていたその姿は少しずつ濃さを増し、蝶の輪郭を形取っていった
まだどこか儚げなその姿を見て、冒険者はそっと手を伸ばす

その瞬間、冒険者のエーテルがモルフォの身に溶け込み、その存在を確かなものへと変えていった
指先から伝わる温もりに呼応するように、モルフォは満足そうに羽を一度揺らし、冒険者の周りを静かに回る
冒険者が歩き出すと――
蝶もその後を追った
遺跡を出ても、街道を進んでも
蝶は、冒険者の傍を離れようとはしない
異界への門を越え、辿り着いたこの世界で出会ったのは、ひとりの冒険者
もしかするとモルフォにとって、それは偶然ではなかったのかもしれない
こうしてモルフォは、冒険者とともに旅をすることになった
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